【レビュー】エレクトロニックミュージッククリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック

 

トラックメイカー/ベーシストのTAKUTO(@takutobeatz)です。

 

「モード理論」という音楽理論をご存知ですか?

モードとは音楽を構築するシステムのうちの1つで、例えば、「エイフェックス・ツイン」「リカルド・ヴィラボロス」「フライング・ロータス」等といったアーティストも作曲に取り入れています。

「モードに興味があるけど、何をどうしたら良いか分からない」という方のために、「エレクトロニックミュージッククリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック」という本をご紹介します。

 

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エレクトロニックミュージッククリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック

モード理論を使って音楽を作ってみたいけど、イマイチよく分からないという人にオススメの本です。

本誌では「テクノ」をベースとして解説されていますが、「モード理論」はシステムなので全ジャンルの音楽に応用可能です。

CD音源が付いているので、耳でも学習することができます。

ただし、音楽理論をある程度分かっていることが必須です。

ダイアトニックコード・スケール、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーぐらいまでは理解していないと、本誌を読んでもよく分からないと思います。
※モード・ジャズに関する細かい解説はありません。

 

[CHAPTER_0] テクノ・ミュージックとモードの可能性

古代ギリシャ時代から存在するモードの概念は、最新のエレクトロニック・ミュージックとも見事に親和する

01.テクノ・ミュージックとモードの関係
02.テクノ・ミュージックでのモードの使い方
モードで作られたテクノ・ミュージックの楽曲分析
モードの更なる可能性を示唆するクリエイターのサウンドを追随

 

「モード」と「調性音楽」の違いや、「テクノ」と「モード」はなぜ相性が良いのかが書かれています。

「目指す音楽にもよりますが、理論面の知識量は確実に作品に反映されます。よって、様々な音楽を聴いてその理論的な構造を学び、知識を増やしていくことも大切でしょう。」という筆者の言葉通り、こういった学びも大切だと思います。

具体的にどういった曲に使われているのかも載っているのも分かりやすくて良いです。

 

[CHAPTER_1] モードのシステムとその概要

調性音楽から抜け出すための最初の扉を開こう。 モードがあなたの作品の新たな世界を切り開く

01.モードというシステムは新たな引き出し
02.モードを理解するために調性音楽を知る
03.モードの特徴を理解する
04.モードの歴史

 

「モード」の具体的な解説に入っていきます。

「筆者自身、長らくモードを理解できませんでした。ですが、自分流のやり方を構築することで、実際の音楽の中で手軽に使えるモードの表現方法を確立しました。なので、”なぜモードが分からないか”を分かっています。できるかぎり噛みくだいて解説していきますので、読み飛ばすことなくひとつひとつ理解しながら進んでください。」と心強い言葉が載っているので、飛ばさないで読んでいきましょう。

モードを扱うのに重要な「特性音」について説明されていたり、コードが鳴っていなくても音楽は成り立つことを確認するためのサンプル曲もあります。

歴史的な解説はサラッとですが、分かりやすく書かれています。

 

[CHAPTER_2] モードを使って作曲するためのベーシック理論

エレクトロニック・ミュージックは勿論、全ジャンル共通のモード理論をマスターしよう

01.モードはキーの概念を拡張する
02.スケールの転回によってモードが生まれる
03.モードが持つ色彩とイメージ
04.モードの世界へと導く特性音
LESSON 1 モードを使った作曲トレーニング
05.モードでのベース・ライン
06.モードに於けるハーモニーの考え方
07.モードから知るコードの本当の意味
08.モードの響きをコードで表現する
09.モーダルなコード進行
LESSON 2 モード作曲法の手順とそのアイデア

 

この章から更に踏み込んだ解説に入っていきます。

「スケールとモードの区別」や「スケールの転回」など、ややこしくて混乱しがちな所の説明もあります。

「特性音」の使い方や、モード理論におけるコード進行の作り方も載っています。

それぞれのモードが持っている個性を理解することで作曲に役立てることができます。

 

[CHAPTER_3] モードを自在に操るためのアドバンスド理論

エレクトロニック・ミュージックに新たな可能性を切り拓く一歩進んだモード理論を習得しよう

01.アシンメトリック・スケールとシンメトリック・スケール
02.モードを表現する音型「グリップ」
03.ペアレント・スケールから生じるモード
04.メジャー・スケールのモード
05.ジャズ・メロディック・マイナー・スケールのモード
06.ハーモニック・マイナー・スケールのモード
07.ハーモニック・メジャー・スケールのモード
08.シンメトリック・スケールのモード
09.ペンタトニック・スケールのモード

 

この章からは、ハーモニックマイナーやメロディックマイナーなど、CHAPTER_2には載っていなかったモードの解説が始まります。

独特な響きを持ったモードが出てくるので刺激的な内容になっています。

鍵盤を弾けない人には少し難しいですが、ピアニストから発想を得た「グリップ」という音型の説明も載っています。

たくさんの種類のモードが出てくるので大変かもしれませんが、一つずつ丁寧に読み進めいきましょう。

 

[CHAPTER_4] モードで作るテクノ・ミュージック

サンプル曲を題材に、エレクトロニック・ミュージックでのモードの使い方を解説

01.ハーモニーを重ねてメイン・リフを作る
02.MIDIエフェクトによるコードの自動演奏
03.コード進行を意識してモードにポップさを忍ばすメロディ作り
04.特性音を意識したベース・ラインの作り方
05.モーダル・ハーモニーでカラーをコントロール
06.ペンタトニックが醸し出すエスニック・テイスト
07.複数のモードを同時進行させる=ポリモード
08.ポリリズムを使ったビートの仕掛け
09.強度のあるドラムにモード・カラーを添える
10.ポップなアレンジをテクノ・ミュージックに応用する
11.無機質なノイズ・ビートとモードを組み合わせる
12.リディアン・モードによる爽やかエレクトロニカ
13.最小限の音数でも確実にモードは表現できる
14.モーダル・インターチェンジで転調感を与える
15.モードで表現するローファイ・ミニマル・テクノ
16.インプロヴァイズして作るアンビエント・ジャズ
17.モードで作るアンビエント/ドローン

APPENDIX:モード・スケール一覧

 

ここからは実践編です。

どのようにして「モード」というシステムを楽曲に取り入れていくか、筆者の作った曲を元にヒントが書かれています。

フレーズの作つ時のコツなんかも解説されているので、新しい発見があるはずです。

複数のモードを同時進行させる「ポリモード」の解説も載っています。

 

まとめ

「エレクトロニックミュージッククリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック」という本は、ある程度の音楽理論を理解していることが前提となりますが、「モードに興味があるけど、何をどうしたら良いか分からない」という方にオススメです。

エレクトロニックミュージッククリエイターのためのとありますが、「モード理論」はシステムなので全ジャンルの音楽に応用可能です。

CD音源が付いてくるので、目だけでなく耳でも学習することができます。

モード特有の響きを上手く取り入れられれば、今まで以上に色彩豊かな音楽を作れるようになるはずです。

この記事が「エレクトロニックミュージッククリエイターのための作曲アイデアと表現テクニック」を買おうか悩んでいる人に参考になれば幸いです。

 

 

それでは。トラックメイカー/ベーシストのTAKUTO(@takutobeatz)でした。

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